協会の会員で、最近出版された本が好評をえて、各分野から注目されていらっしゃる2人をご紹介します。

野田さんは長い間、船橋の小・中学校の給食運営と食指導にあたってこられ、今年3月にご自身の体験をもとにした和英対訳式のユニークな本を出版。

優れた日本の食文化を次世代に伝えたくて

船橋英語連盟会長 野田 節子

この度「ラッキー博士の食卓談義」を和泉書房より出版いたしました。この本は管理栄養士として市内中学校の給食運営に携わった5年間、毎日クラスに配布し続けた「三山ランチタイムス」を精選し一年分にまとめたものです。

船橋市の中学校給食の特徴は、選択性、自校調理、ランチルームにおける全校会食という日本でも最も進んだ方式で行われております。また各校に学校栄養職員がおり、学校給食の運営管理はもとより、食の教育にあたっております。

「三山ランチタイムス」は、その日のAメニュー、Bメニューの内容とともにラッキー博士の食卓談義というコラムを設け、食文化を含めた食の情報を老博士がおじいさん言葉で語りかけるという趣向です。それも日本語と英語バージョンがあり、英語を習いはじめた中学生の関心を引こうと考えました。これにはALTの先生方に協力をいただき、やさしく自然な英語に書き直していただきました。授業でもこのランチタイムスはしばしば登場し、授業を活気づけたようです。

出版のきっかけは、児童文学研究者の福田節子氏が三山中学校のランチルームを訪ねてくださり、生

徒と会食された後で、ランチタイムスをご覧になりました。「生徒たちの会食態度がすばらしいのはこのランチタイムスがあるから。これをもっと多くの人たちに知らせなければ」とおっしゃって、出版をお奨めくださいました。

童話と野草の本しか出さないといって立ち上げた和

泉書房から福田氏の指導でバイリンガルの変な本が出たということで、朝日、毎日、読売の三大新聞千葉版に紹介していただき、一般の方にも購入いただいているようです。先日は文部科学省にも十数冊送らせていただきました。外国からの視察者に日本の食文化紹介書としておみやげとして使うそうです。この本の出版を通して、人と人との交わりの大切さ、ありがたさが身に染みました。

 

金さんは韓国の仁川出身で、幼稚園の先生をした経験があり、ご主人は日本人で、2人の子供のお母さんです。国際親善ボランティアとしても、通訳や韓国文化紹介などに活動中。

民話が親子の絆をつよく

協会常任理事   金 基英

遠いむかしから、民話を伝え、育ててきたのは、人びとの「ききみみ」でした。「ききみみ」は、声や身体の動き、手話などを通して、人びとが民話を聴きとる心の耳のことです。

「キムさんの韓国民話」この絵本は、あなたの「ききみみ」にアジア民話の心を伝え、国際理解の原点としてお読みいただくために作られました。あなたの、いろいろな聴こえのかたちで、この絵本を読んでください。

絵本の声が聴こえたら、あなたの「ききみみ」はだいじょうぶ!

この文は、私の本の1ページ目に書かれている文です。

私が幼いころ、暑い夏の夜は、蚊帳の中で祖父母からいつもむかし話を聞きながら眠りました。3枚のお札が出てくる「蚊の由来」の話は何度きいても怖いと思い、真夜中に何度も目が覚めたことを今も覚えています。また、日本でもお馴染みの「雨蛙の不孝」をきき、涙を流したり……。特別にうまい訳でもないのに母の語りをききながら安心して眠りに落ちたあの時に育ったききみみが、語り手としての私を生んでくれました。

今日の子どもたちは毎晩、どのような眠りにつくのでしょう? 幼いころの体験から生まれた、声を出して読みたくなる本です。

今夜は、お子様に韓国民話の世界をのぞかせてください。あなた自身が語り手になって。