最新情報    お知らせ    交流ひろば    YOKOSO to Funabashi    掲示板    日本語教室    姉妹・友好都市    国際交流協会    リンク

ブエノスアイレス レポート(7)

塩田悦三郎
 

「ポルテーニョ」はお人好し

「ポルテーニョ」とは、ブエノスアイレスっ子を言います。日本の「江戸っ子」のように東京の下町に親子3代以上住んでいなくては「江戸っ子」と言えないというような難しい定義はありません。ブエノスアイレスに住んでいてブエノスアイレスを愛していればOKです。この「ポルテーニョ」は、たいへんなお人好しです。

 

時々困ることがあります。例えば、道に迷った時、通りすがりの「ポルテーニョ」に聞けば「この道を3ブロック半行けばある」と言うように必ず教えてくれます。なぜ困るかと言えば、それが必ずしも正しくないのです。

 

わざと間違った道を教えてくれたわけではありません。「ポルテーニョ」は、「知らない」と言えないのです。

 

いったん「ポルテーニョ」に聞いたみたものの、路上で地図を広げるかまたはおまわりさんを探して聞くことになるケースが多いのです。

 

「ポルテーニョ」は遊び好き

当地ではようやく暑い夏が過ぎて秋になりました。夏休みはだれもが長期間(2週間から2ヵ月)取ります。路上の靴磨きのおじさんも、街角の花屋のお兄さんも、長いバカシオネス(長期休暇)を取ります。

日本の盆暮れに感覚が多少似ているかもしれませんが、スケールが比較になりません。避暑地としては、“南米のスイス”バリローチェ(1,00km)、「ペリト・モレノ氷河」への拠点、カラファテ(2,000km)、“世界最南端の町”ウシュアイア(3,200km)、などが有名ですが、ブエノスアイレスに比較的近いビーチ、マル・デル・プラタ(400km)も人気があります。

アルゼンチン西部にはワインの産地で有名なメンドーサ(1,00km)、大平原“パンパ”の彼方にあるコルドバ(700km)と数え上げたらきりがありません。わがポルテーニョたちはいったいどこへ行って来たのでしょうか。

注:( )内のkmはブエノスアイレスからのおおよその距離
 

「ペンギン島」正式名称は、「ゲーブル島」

ペンギンの種類は、「マゼランペンギン」

「世界の果て号」

 「マカレナの滝」見物で停車中撮影

機関車は、正真正銘の蒸気機関車

小柄ながら頼もしい
 

“世界最南端の町”ウシュアイア

“世界最南端の町”の宣伝文句に釣られて多くのポルテーニョをまねてウシュアイアに行ってきました。ここには、“世界の果て”という修飾語がつくものがいくつかあります。例えば、「世界の果て博物館」、「世界の果て号」(列車の名)などです。

人口6万4千人の小さな町ですが、ビーグル水道にあるペンギン島やオタリアやウミウの集まる島々を巡るクルージングが有名で世界中から観光客がやって来て賑わっていました。可愛いペンギンの集団や岩場で寝そべっているオタリアたちを見ていると思わず顔がほころんでしまいます。

ウシュアイアのもう一つの観光スポットは、国立自然公園です。ここを走っているのが観光列車「世界の果て号」です。豆蒸気機関車に引かれた、たいへん可愛い列車です。

この列車の同じ車両でなんと10名の日本人ツアーグループと乗り合わせたのです。一行は、“アルゼンチン、14日間、70万円”でやって来たとのことです。

外国の旅先で日本人に会うのはうれしいのですが、今回だけは別です。奥様連中が「世界の果て号」に乗りながら、ご主人の自慢話やマンションの値段がどうなったとか大きい声で話しているのです。

おしゃべりはいいのですが、“世界の果て”まできてそのようなお話はいただけません。自然公園の景色を楽しんだり、ガイドの説明に耳を傾けていただきたかったのですが。
 

「ペリト・モレノ氷河」

この写真撮影後、氷塊の崩落が2度続いた
見ることができ
ず、残念!
 

ペリト・モレノ氷河

「世界最南端の町」ウシュアイアから北へ約1,200km、氷河国立公園のあるカラファテに参りました。巨大な氷塊の崩落する様子が見られると言うのです。カラファテからバスで氷河の先端近くまで約2時間。

崩落するのを見るのには忍耐が必要です。いつどの部分が崩れ落ちるのかわからないのです。先端部分のすべてが見渡せる展望台に行ってずっと待っていればいいのですが、私のように一人旅では話し相手がいないのでついつい次の展望台へ歩きはじめてしまいます。

私が次の展望台に移動中、2度の崩落がありました。「残念!残念!」 音だけが聞こえました。これは氷河が私に「また、来てね。」と言っているのだと思いあきらめました。一生に一度は氷塊崩落のシーンを見たいものです。同じバスの若いカップルが運良く見ることができたようです。


「ティグレの別荘」
このような別荘が延々と続く
クルージングボートから降りて仲間に入れてもらって、
一緒に遊びたくなる。

「川水浴場」
川幅60kmのラプラタ川の支流「パラナ川」の「川水浴場」
別荘地にいくつもある
真夏でも人の数はこの程度
国土の広さを痛感する
 
「ポルテーニョは水遊び好き」

ブエノスアイレスから2,000kmも3,000kmも離れている南部への旅行から帰ってきたポルテーニョたちの週末を紹介しましょう。

30kmほど北の別荘地「ティグレ」でボート・ヨット・つり・ウオーキングなどで過ごします。「ティグレ」はブエノスアイレスの中心から電車で50分。パラナ川のデルタ地帯にあります。

1時間半のクルージングツアーに参加したことがあるのですが、両岸はすべて別荘で、それぞれの家に艇庫・川に入るためのステップがあります。緑鮮やかな広い芝生の上でアサド(バーベキュウの一種)をしている家もあります。

川で泳いでいる人もいます。「海水浴場」、あらず「川水浴場」がところどころにあって水遊びに興じている人たちがいます。

ポルテーニョたちは、ほんとうに生活をエンジョイしています。「働くのは遊ぶため」と言い切るポルテーニョもいます。

“豊かさ”を示す指数の一つに「人間開発指数(HDI)」(国連作成)というのがあります。その2005年版では、日本11位、アルゼンチン34位ですが、真の“豊かさ”を享受しているのはどちらでしょうか。

アスタ・ルエゴ