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ブエノスアイレス レポート(5)

塩田悦三郎

言葉には、辞書や文法書だけではわからないニュアンスを持っているのがあります。

 

今回は辞書を引けば簡単なスペイン語で文法も易しいのに真の意味がわからず失敗した例やあまり文章ではお目にかからない言葉について述べさせていただきます。

 

スペイン語圏で生活するにはちょっとしたスパイスになると思います。

 

国旗と英国塔

サン・マルティン広場。

国旗の空色は、セレステといって実物と同じ色。

後方の塔は鉄道の完成記念に英国が寄贈。フォークランド戦争時には、単に「時計台」と呼んでいたが今はもとの「英国塔」。

手前の紫色の花の木は、「ハカランダ」と言って日本の桜と同様、花が真っ先に咲いて春を告げる。

 

私の家はあなたの家です」
(Mi casa es su casa)

 

 この言葉は、単語も文法も初級です。

 

英語でいえば、”My house is your house.”です。

 

私はこの言葉をこちらの人(チリ人とアルゼンチン人)から幾度か言われました。最初にこう言われた時は「こちらの人はなんと優しいのだろう、私のような外国人にこのように言ってくれるなんて。」と感激しました。日本語の「どうぞお気楽に」、英語の” AT HOME ”に近い存在かもしれません。

 

それにしても素晴らしい表現ですね。

 

親しい友人宅に招待されてお邪魔した時、この「私の家はあなたの家です。」だけでなくさらに「この家にあるものはすべてあなたのものです。」とまで言ってくれました。

 

いたずら心を起こして「おくさんもですか」と言うと、彼は即座に “ NO――oooh “

 

もう一つ、これはメキシコの友人A(日本人)から聞いた話。Aはある時、親しい友人B(メキシコ人)から、「あなたの家で○月△日にパーティをやろう」と言われ、当日準備して待っていました。

 

しかし、いつになってもBとそのファミリーはやって来ません。午後10時近くなってBから「いつ来るのか」という催促の電話がありました。Bがパーティに誘った「あなたの家」は「Bの家」だったのです。

 

「オンセ」(ONCE)  

これはチリでのお話。

 

教え子の家から「オンセにいらっしゃいませんか」とお誘いの電話があり、私は「オンセ」が軽食の意味ということは知っていたので、「ありがとう。行きます。」と答えました。教え子は、「お迎えに行きます」と言って電話を切りました。

 

「オンセ」は数字の11だから、午前11時ごろ迎えに来るものと11時前から待機していたのですが,一向に迎えが来ません。ラテンの人があまり時間を気にしないことは承知之助でしたのですが、12時なっても来ないのでついに問合せの電話をかけてしまいました。

 

「いつ頃迎えに来てくれる?」、「5時ごろ伺います」、「オンセは11だから11時ごろだと思っていた」と言って二人で大笑い。

 

「おやつ」の語源が、昔の時間の表し方で「八つ=午後2時ごろ」からきていると知っていた私の勘違いでした。

 

「オンセ」はアンデス山脈の住民の間に伝わる習慣で、チリでは5時から6時の間に、コロンビアでは朝食と昼食の間にとるとのことが後になってわかりました。

 

ここブエノスアイレスはアンデスから遠く離れているのでその習慣はありません。

 

窓越しに見えるブエノスアイレス市内の住宅地

ブエノスアイレスはたいへん緑の多い街。

街路樹は背が高い。

14階の部屋からも緑が近くに見える。

 

街角のレストラン

ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)は、
外で飲んだり食べたりするのが大好き。

車が通るすぐそばでもぜんぜん気にしない。

日本と同じ郵便ポストがなつかしい。

 

「アミーゴ」(Amigo  

再びラテンの人が心優しい人と思った話。

 

街頭でオフィスや家庭に置く植木を売っている植木屋さんがいました。前を通る度に私を見つけては、「アミーゴ(友よ)、アミーゴ(友よ)」と声をかけてくれます。外国人の私を「友よ、友よ」と言ってくれるとは、なんて心やさしい人なのだろうといつも思っていました。

 

ついにお礼の意味で一鉢買うことにしました。我が家(デパルタメント。)には少々大きすぎる植木でしたが。

 

最近、特別親しくなくても「アミーゴ」と声をかけている場面を見かけました。

 

レストランで追加注文をする客がウエイターを呼ぶ際、「アミーゴ」と言っていたのです。名前を知らない人に声をかける際、通常、男性には「セニョール」、女性には「セニョーラ」と言っています。大変便利な言葉です。日本では何というのでしょう。

 

以上のように、辞書だけではわからないニュアンスを持つ言葉はまだまだたくさんあります。

 

アミーゴス(Amigos

サン・マルティン広場。

今日は向かって左から2番目のアミーゴの誕生日。

ハカランダの花を撮影するために持っていたカメラをみつけ、「記念に撮って送ってください」と気さくに話しかける。

かれらは下記に紹介する「ピロポ」の主役だ。

 

「ピロポ」(Piropo  

次に、意味は分かるけど日本ではなかなか使えない言葉を紹介します。ラテンアメリカではどうぞご自由にお使い下さい。「ピロポ」のことです。

 

「ピロポ」は辞書で引くと、「街頭で、男性が女性に対してその美しさや魅力をたたえるために投げかける言葉」とあります。男性が投げかける言葉ですが、女性はその受け方を知らなければなりません。女性のみなさん、ぜひご一読願います。

 

本レポート記載の「ピロポ」は、私常用の「くつみがき」のおじさんやタクシーの運転手(複数)から直接取材したものです。スペイン語で表記させていただきます。

 

読み方はほとんどローマ字読みでOKです。下記の例では、Qué(ケ)、pimpollo(ピンポジョまたはピンポヨ)、hermosa(エルモサ)、belleza(ベイエサ)の4つが例外です。

  注:( )内は、私のつたない和訳です。
     日本語だとなかなか実感が伴わないですね。

 

  1.Una rosa.          (バラみたーい。)

  2.Una flor.            (きれいな花だなー。)

  3.Qué angel.          (なんと美しい天使だ。)

  4.Mamita.           (おかあさまあー。)

  5.Qué rico caramelito.   (何とおいしそうなキャラメルちゃんだろう。)

  6.Buen día, pimpollo.    (おはよう、つぼみちゃん。)

  7.Buen día, diosa.      (おはよう、女神様。)

  8.Bonita.           (きれいだなあー。)

  9.Tanta curvas y yo sin freno.  (すごーい曲線美、僕はもうだめだ。)

  10. ¿Siempre así de linda?      (いつみてもきれいだなあ。)

  11. ¿Siempre así de hermosa?.    (いつみても美しいなあ。)

  12. Si la belleza fuese pecado,no tendrías perdón de Dios.

    (もし美しいことが罪ならば、神はあなたをお許しなさらないでしょう。)

 

男性のみなさん、上記の例をお使いになる時はどうぞ感情を込めてややオーバーに言ってください。そうすればあなたはポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)に早変わりです。

 

女性のみなさま、南米のパリ、ブエノスアイレスの市内を歩いていて上記のような「ピロポ」を言われたらどうしますか? 

 

「ピロポ」を言われた女性を観察した結果、こうしたらいいのではないかという案が浮かんできました。どうぞ参考になさって下さい。

 

   
  1. 「何言ってんのよ。」などとめくじらをたてないで下さい。
    世の男性は、単に美しいものを美しいといっているだけなんですから。
  2. 「聞いてます。」という態度を取ってあげて下さい。
    誰にでも声をかけているのではないのですから、聞こえない振りして足早に去るのはやめましょう。
  3. 「あら、そーお。ありがとう。」などと言って「ニコッ」と笑って立ち止まらないで下さい。
    男性は、「ピロポ」を投げかけてもそこまでもかもしれません。そのままスマートにゆっくり立ち去って下さい。次の「ピロポ」があなたを待っていますよ。

ブエノスアイレスは、ほんとうに楽しい街です。男性も女性も日本では味わえない人と人との出会いを経験できるはずです。ぜひお越し下さい。
アディオス。