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塩田悦三郎

  1. 月の谷へ行く

チリは本当に南北に長い国だ。おおよそ44百キロメートルある。これは北海道の北端から沖縄本島までの距離の約2倍にすぎない。しかし、その風景・気候・動植物の多様性において日本はその比ではない。北は砂漠で、南は氷河だ。今回は、チリ北部の「アタカマ砂漠」を紹介させていただく。

「アタカマ砂漠」は、アンデス山脈と並行して南北に長い。サンチャゴを飛び立ったと思う間もなく、飛行機は砂漠の上を飛んでいる。約2時間半で「アタカマ砂漠」の玄関口のカラマに到着する。ここから東南に車で約1時間半走ると、砂漠のオアシス「サン・ペドロ・デ・アタカマ」に着く。この地の原住民は、アタカメーニョ族と言って同じチリでもサンチャゴの住民とは顔形はもちろん皮膚の色も異なる。小柄で有色。

「サン・ペドロ・デ・アタカマ」という地名は長いので、単に「サンペドロ」と呼ばれる事が多い。「サンペドロ」は、「アタカマ砂漠」観光のメッカでここを起点とするツアーが沢山ある。「遺跡めぐり」、「月の谷」、「アタカマ塩湖」、「先住民村」、「標高4、400メートルの間欠泉群」、はたまた「隣国ボリビアの塩湖」ツアーまである。マウンテンバイク・トレッキング・乗馬‥‥数えれば限がない。


月の谷
アタカマ砂漠の代表的な景勝地
そそり立つ岩々、広大な砂丘。砂丘と岩々の織り成す光景が月面を思わせる。

「月の谷(Valle de la Luna)」を紹介しよう。谷間から遠くに雪山が見えなければまさに月の表面はかくあるべしと思わせる光景だ。波のような岩々・彫刻したようにそそり立つ岩・断崖絶壁・広大な砂丘等すべて自然のなせる業だ。コバルトブルーの空と薄茶色の岩塩との絶妙のコントラスト。写真をどうぞとガイドに言われなくても撮影したくなる。

一歩足を踏み入れると靴の中が砂だらけになる細かい砂、そそり立つ岩は何層にもなって歴史を感じさせる。岩塩の洞窟に入る。真っ暗だ。ガイドと自分の用意した懐中電灯とでどうにか洞窟から這い出る。

サン・ペドロ・デ・アタカマ教会

  アタカマ砂漠のオアシスの村、

「サン・ペドロ・デ・アタカマ」の中心にある教会

 1730年の建造物

鐘楼は、スペインの植民地時代の影響を受けて

ほのかに南欧の香を漂わせている。

砂漠の苔

一年中雨が降らなくて緑がほとんどない砂漠の真ん中に、

一箇所だけ苔の群生している場所があった

名前は知らないがあざやかな緑色

真っ青な空と茶色い岩とのコントラストが

私たちに自然の造形美を見せてくれる。

原住民のアタカメーニョ族は、15世紀後半インカ帝国の侵入を受けて衰退した。しかし、彼等の当時の生活を思わせる遺跡は「サンペドロ」近在にたくさんある。アタカメーニョ族の歴史を知るには、「サンペドロ」にある考古学博物館を訪れるのが最適だ。

ここには、一人の日本青年が日本での経験を買われて膨大な資料整備の仕事に従事している。現地人の家にホームステイしていてみんなから愛されている。歩いていてもしょっちゅう知人と出会い、挨拶を交わしている。日本人がこんないなかで博物館の仕事をしているなんて予想していなかった。彼を誇りに思う。

「月の谷」といい、「遺跡めぐり」といい、もっともっと事前学習をして行くべきだった。「月の谷」の場合は地質学を、「遺跡めぐり」の場合は南米の歴史を。そうすれば今回の旅の良さは2倍にも3倍にもなったはずだ。

「サンペドロ」から海寄りの「アントファガスタ」は、昔ボリビア領であった。ボリビアがチリとの戦争で負けたのでチリ領となった。その結果、ボリビアは海なし国となった。しかし、ボリビアには今でも海軍がある。いつの日か奪い返して海あり国になろうとしているのだろうか。

  1. のみものたべものあれこれ

海外旅行の良さは、一に観光、二に食事ではないだろうか。滞在者にとってもそれは同じ。「食は文化なり」と言われているように、その国の文化を理解するのに食事は重要な要素である。

今回はサンチャゴというよりはチリの「飲みもの食べもの」について述べさせていただきます。私が雑食性でありかつ小麦粉アレルギー体質なので、内容はやや偏っていますがその点は何卒ご容赦を。

チリと言えば、なんといってもワイン。安くておいしいのが沢山ある。種類が多すぎて通でなければ選択に困る。私の場合、窮余の一策として値段で決めている。スーパーなどの小売店で買う場合は、ボトル1本3千ペソ(日本円で約600円)以上だとまあまちがいがない。おいしかった銘柄を覚えていて後日買いに行っても、同じものがないことが多い。もちろん高価なワインは、在庫切れの心配はない。

レストランでのワインを注文する時、通の方は違うだろうが、私の場合は例によって値段で注文する。目安は1万ペソ(日本円で約2千円)。ワインは、ぶどうの種類はもちろん、いつ、どこのぶどう園で採れたか等々良し悪しを決定する要素は沢山ある。小売店には、1本800ペソから34万ぺソのワインも並んでいるので選ぶ楽しみに事欠かない。ご来智の際は、どうぞワイン選びを楽しんでください。

ぶどうの蒸留酒、ピスコは乙な味だ。食前酒に「ピスコサワー」と言えれば、もうあなたは半ばチリ人。そういう私は、相変わらず「とりあえず、ビール」をやっている。

食事の方は、これまた種類は豊富。太平洋に5千キロ以上の海岸線を有しているのでシーフードが代表。サンチャゴに来たら誰もが必ずといってよいくらい訪れる中央市場内のレストランで、お皿山盛り一杯のウニがお勧め。アワビは日本のとは比較にならないほど大きい。これもお皿山盛り一杯出てくる。こちらはやや大味。

ウニとピスコサワー

中央市場内のレストランにて

「ウニ」(左)と魚貝類のス−プ「パイラ・マリーナ」(右)、中央奥にわさびとしょうゆが見える

左奥は、「ピスコサワー」

牛肉・鶏肉・豚肉の料理の種類は沢山あるが、お店によって味が異なるので具体的にどこのなにがいいとは言いかねる。先ずは、試していただきたい。牛肉そのものは、お隣のアルゼンチンには負けるというのが定説。料理全般に言えるのは塩分が多いこと。注文時に、「塩分控えめに」と言えればしめたもの。

サンチャゴのランチタイムを紹介しましょう。ビジネス街でのランチのお値段は、2千ペソから4千ペソ(日本円で4百円から8百円)。お昼の定食を頼んでも、「飲み物は?前菜は?主菜は?デザートは?」ときかれる。○○と答えてもさらにそれらは種類が分かれているので、「飲み物はオレンジジュース、前菜はミックスサラダ、メインは牛の焼肉でライス添え、デザートはアイスクリームでバニラ」というようにそれぞれ注文しなければならない。ランチの飲み物でビールがあるところでは、ビールの銘柄を指定しなければならない。お昼の定食でさえこれだから、あとは推して知るべし。

チリ人は食事に時間をかける。ビジネスマンの昼休みは普通2時間。ランチは先ほど述べたようにいろんな選択肢があって、デザートに至るまで最低1時間はかかる。日本のビジネスマンのように「Aランチ!」とだけ注文してさっさと食べて出て行くのとは大違いだ。グループで行っても、「私も同じ」などという注文はしない。

ランチタイム 

   チリ人は屋外で食事をするのが大好きだ

冬でもこのように屋外でランチタイムを楽しんでいる

スーパーの青果コーナー

   市内にある平均的なスーパー

ダイナミックなディスプレイが特徴

食材はこれまた豊富。チリの食材は種類が多くて安い。その中でもナス、キュウリ、カボチャ、昆布などは大きさが日本34倍あって皮が厚い。カボチャなんかは私の顔の2倍、いや3倍はあるのではないだろうか。うれしいことに、最近、アジアの代表的な食材とも言われている大根・にら・もやし・しいたけ・しょうが等がスーパーの店頭に並ぶようになった。調味料のしょうゆ・ごま油・味噌・味の素等も同様だ。

果物も日本ではお目にかかれないツナ(サボテンの実)・チリモヤ・アランダノ(コケモモの実)等のいろんな南国のフルーツがとても安く手に入る。魚貝類はある程度新鮮で、パック詰もあるが目の前でさばいてお好みの切り身にしてくれる。

いろいろ述べたが、かくいう私は毎朝、納豆・大根おろしにチリメンジャコ・梅干・味噌汁・ご飯を食している。納豆は日本からの輸入品で日本の数倍のお値段。このような私がチリの飲み物・食べ物についてこれ以上述べるのはおこがましいのでこのへんで失礼!

チリに渡り、日本語を教えているWebマスタの友人、塩田悦三郎さんが、知人のメールマガジンに投稿しているサンチャゴレポートという記事を、そのメールマガジン「609studio( http://www.609studio.com/home.html )」とご本人の了解を戴き転載させて頂いているものです。