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塩田悦三郎

  1. パンアメリカンハイウエイ

「パンアメリカンハイウエイ」はアラスカのアンカレッジからチリのチロエ島の南端の町ケジョンまでを結ぶ総延長22、000kmの道路です。「パンアメリカンハイウエイ」が走っている国は、12カ国に及び民族はもちろんそれぞれの文化が異なっています。それらが一本の道路によって結ばれています。チリ国内の「パンアメリカンハイウエイ」は約3、400kmあります。

私は、今年の夏(2月)この「パンアメリカンハイウエイ」をサンチャゴから南端のケジョンに至るまでの約1,400kmを往復するドライブ旅行をしました。「パンアメリカンハイウエイ」といってもチリ1カ国、しかも南部だけのドライブでしたが、サンチャゴでは見ることができなかったチリを見ることができました。今回はその一部を紹介させていただきます。

人口550万人、南米第4の都市サンチャゴを後にすると間もなく田園地帯に入ります。左手遠くに雪を抱いたアンデス山々が見えます。右側は、ブドウ畑・トウモロコシ畑・小麦畑というように作物の種類は多少変わりますが、ひろびろとしたのどかな田園地帯は変わりません。日本と違って山あいを走ったり、川沿いを走ったりすることはほとんどありません。

50kmくらい走ると遠くに教会の十字架が見えてきます。教会を中心にした小さな町が見えてきました。休憩するのには早すぎるので通り過ぎます。何番目かの町で「ハイウエイ」から一般道路におります。チリの町や村には、必ずといっていいほど中心に「セントロ」と呼ばれる広場があります。この広場は人々の憩いの場であり、日によっては市が立ちます。広場の周りには、教会のほかにお店やホテルなどがあって気ままな旅行者にはたいへん便利な場所です。

「ハイウエイ」から右におりてしばらく走ると港町に出ます。魚市場は簡単に探し出せます。お昼は魚市場の中にある食堂でいただきます。生のウニ・ばかでかいアワビなどを思いっきり食べて、「ハイウエイ」に戻ります。「ハイウエイ」と一般道路との行き来はほとんど自由で、日本のように「ハイウエイ」=「高速道路」=「有料道路」という公式は成り立ちません。まったくフリーというわけではありません。時々料金所で料金を支払いますが、「どこからどこまでいくら」という制度ではなさそうです。

サンチャゴから南下すること約500km、再び「ハイウエイ」に別れを告げ、飛び散る水しぶきの激しさで有名な「ラハの滝」を見物します。見物したら「ハイウエイ」に戻り、ひたすら南下します。第一日目の宿泊地は、サンチャゴから約700km離れたテムコ(人口16万強。第9州の州都。)にします。


滝から飛び散る飛沫は激しく、時には七色の虹を見ることができる「ラハの滝」

テムコでは、「セントロ」周辺をぐるぐる廻ってホテルの星の数を見ながら宿探しをします。初日でもあり無難な四星のホテルに旅の荷を解きます。早速、「セントロ」の市をひやかしに出かけます。骨董品もあるし、原住民マプチェ族の伝統的な毛布、木や皮で作った民芸品もあって目を楽しませてくれます。結局何も買わずに夕食のレストラン探しに行くことになります。

  1. チリとアルゼンチン

チリとアルゼンチンは国境をおよそ3,700km接しています。国境のほとんどはアンデス山脈です。両国は共に南米の南にあって地図の上では兄弟のように見えますが、その国民性にはかなりの相違があります。最近ブエノスアイレスへ旅してこのことを実感しましたのでご紹介いたします。

アルゼンチンの人々の方が明るい気質を持っています。サンチャゴの市内特にオフィス街を歩いている人々の取っ付きにくいむずかしそうな顔つきは、ブエノスアイレス空港に着いた瞬間から見られなくなりました。ブエノアイレスの人々の方が明るく親しみやすい雰囲気を持っています。

このことはどうやら両国への移民の構成の相違によるようです。スペインからの移民が第一位というのは共通しているのですが、それを除くとアルゼンチンはイタリアからの移民が多く、チリはドイツからの移民が多かったのです。

アルゼンチンはイタリア人の陽気な気質を受け継ぎ、ラテン風の楽天的な気風が満ちています。チリ人はドイツ人の勤勉さや堅実な国民性を受け継ぎ、やや冷たい感じがします。このことは経済面でも如実に現れて、低位安定のチリと変動の激しいアルゼンチンとなっています。


チリの大統領府 : モネダ宮殿
モネダは「貨幣」つまり「お金の宮殿」

アルゼンチンの大統領府 : カサ・ロサーダ
ロサーダは「ピンクの」という形容詞つまり「ピンクの館」

街の中を歩いてみましょう。コロニアルな建物が多いのがブエノスアイレスで、近代的なビルディングが立ち並んでいるのがサンチャゴです。歩道の幅はチリの方が広く整然としています。太っている人が多いのがチリで、そうでないのがアルゼンチンです。

レストランに入ってみましょう。なんといっても肉のおいしさが違います。南米で暮らして6ヵ月になりますが、ブエノスアイレスでようやくおいしい肉を食べることができました。この味の違いは、大草原のパンパで悠々育った牛と南北に細長い土地で運動量多く育った牛との差だという人がいますが、真偽の程は定かでありません。ワインは、両国共自慢しているのでどちらがいいとは言い切れません。

チリとアルゼンチンとの違いは沢山あると思いますが、今回のアルゼンチン旅行で私が強く感じたことをいくつか述べさせていただきました。両国には他の南米諸国にはない共通点があります。どちらもヨーロッパ系移民が主流で第二のヨーロッパを目指したということです。

サンチャゴとブエノスアイレスしか知らない私が「チリとアルゼンチン」と題して述べる事にいささか気が咎めましたが、お許し下さい。最後に、本稿を起こすにあたってはチリ人と意見交換をしたことを付け加えさせていただきます。

チリに渡り、日本語を教えているWebマスタの友人、塩田悦三郎さんが、知人のメールマガジンに投稿しているサンチャゴレポートという記事を、そのメールマガジン「609studio( http://www.609studio.com/home.html )」とご本人の了解を戴き転載させて頂いているものです。