― 茨城県守谷町国際交流協会を訪れて ―
広報委員 野上 紘子

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  • 守谷町と守谷町国際交流協会(MIFA)の紹介

    利根川を渡ると、静かな田園都市の守谷町。80年代にニュータウンとして誕生。人口約5万人の多くは新住民と聞く。

    その工業団地にあるアサヒビール工場が創業時に町民の文化交流の拠点にと町に寄贈したログハウス(正式名は国際交流研修センター)。国際交流を軸として、多彩なプログラムが繰り広げられるログハウスに町民は集う。

    ログハウスは守谷町の代名詞ともなっている。

    後記する茨城県のアーカス構想にも指定され、国の内外からやって来たアーティストが住民となって創作活動に励んでいる。この様子が NHK TVで放映され、今、注目される町。来年には市に昇格が予定されている。

    1989年、守谷町国際交流協会(以下、MIFA)は官主導ではなく、町民主体で設立され、昨年10周年を祝した。

     

  • 船橋市国際交流協会(FIRA)と MIFA の交流始まる

    今年、FIRA が始めたホームページを通じて、いち早く MIFA からの交流呼びかけがあった。アクセス数の多さの秘密を知りたくもあったし、NHK の報道内容にも興味を覚え、訪れて情報交換しよう、ということになった。

    秋日和の一日、FIRA の会長以下役員と広報委員が二台の車で隣県へドライヴした。目指すアサヒビール工場と隣接する森林公園にログハウスが見えてきた。入口の軒先に飾られた大きなリボンに視線がゆく。赤,黒、黄とドイツ国旗の三色リボン。2週間前に訪れた姉妹都市の市民団を歓迎して飾られた、との説明。

    大きな丸太造りで、異国情緒をかもす建物にびっくり。カナダから杉を直輸入し、職人も連れてきて建設したもので、ログハウスとしては全国一の規模だそうだ。

    そのログハウスで、MIFA の会長以下、役員の方々が私達を温かく迎えてくれ、2時間余り交流の時を過ごした。

     

  • MIFAの三種の神器

    とにかく、「羨ましい」の一言に尽きる MIFA―――「人」、「金」、「物」の三拍子が揃っている。

    • 「人」:バブル期のニュータウンの造成で、移住してきた新住民の心を捉え,町民の結合の中心に国際交流が位置する。会員も当初の85名から、現在は800名。

    • 「金」:同時期に造られた工業団地に大企業が進出してきた。数社と町から1億5千万円の金が集まり、その後の活動基金となっている。財団化を検討したが、県のアドバイスにより、基金は町の会計に繰り入れた。町は条例を制定して管理運営している。そこから、町はMIFAに毎年200万円を補助金として支出し、会費、参加費等で約400万の予算となる。
                                                        

    • 「物」:上記のログハウスが活動の拠点。室内活動にしても、野外活動にしても町民が集うのに理想的な場所。町に寄贈されたので、公民館に準じた扱いで町民も利用できる。ただし、協会の使用は最優先される。

     

    ここで、MIFAが主催する講演会、コンサート、パーティー、アーティストの作品発表、日本語教室、語学教室、各国の文化交流などが行われる。

     

  • MIFAのユニークな国際交流活動

    1. マインベルグ市(独)、グリーリ市(米)との姉妹都市交流

      ドイツのマインベルグ市からは、アサヒビールがビールの原料であるホップを輸入している。「最良のホップで最高のビールを」が両都市間でのキーワード。

      同じく工業団地にあるコダック社が交換事業の一環として、守谷町の青少年海外派遣事業に協力している。その派遣先に近い市が米国コロラド州クリーリ市。町民の各レベルでの交流は活発で、官、民、企業が連携している。

       

    2. B 茨城県アーカス構想

       

      茨城県では個性的で魅力ある地域づくりを目指す、「身近に芸術活動のある地域づくり」のために、守谷町を拠点としてアーカス構想という事業を行っている。

       

      この事業の目的は、国内外から町に住むアーティストの創作活動を支援するとともに、住民がアーティストと国際性を重視した交流に気軽に参加できることである。

       

      1996年から、毎年ログハウスでアーティストの作品発表をやっている。

       

      参考までに、アーカスとはラテン語で「門」を意味する。人々がくぐる門のことで、欧米で広く行われているプログラムとのこと。

       

    3. 筑波大やつくばインターナショナルセンターとの交流

       

      近くのつくば市には留学生やJICAの研修生が多くいる。いろいろなプログラムに彼らが参加し、いっそう国際性をたかめている。

       

    4. 「世界を知る」シリーズの講演会

       

      会員や町民の国際理解促進のために、外務省職員や各国大使館員や日本人の海外駐在外交官等を招き、講演会を開催している。

     

  • 今後に向けて MIFA は

     

    21世紀に向けるMIFAのキーワードは「環境、優しさ、説得力」

    • 環 境: 国際間の大きな課題である環境対策に協力を果たす。

    • 優しさ: 人、物、自然に対する優しさを考えた活動を目指す。

    • 説得力: 協会の運営や方針について、会員に対し、透明性、公平性が求められる。出来る限り多くの会員、特に若い会員の賛同を得る努力が説得力となる。

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    更に、「楽しくなければボランティアではない」を合言葉に、MIFAが世界に向ける情報発信基地になることを目標としている。

     

  • 訪問を終えて

     

    ログハウスに入った途端「これはすごい!」と思った。更に、創設期の先見の明の確かさに感心した。バブル期に財源の基礎を築き、民主導による国際交流活動を町づくりの中心に置いている。

     

    講演会に招く講師への謝礼は一律5万円と定め,講師が謝礼を辞退した場合には学生委員会の活動費へ繰り入れていることも参考になる。

     

    MIFAが21世紀に向けて考えているプランの中に、FIRAが学ぶべきものがあると思う。