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No.8

 

その5 (克敏記)


書道展を開催

 

 

幼少時から書道に親しんだ私(克敏)は、大学でもそれを専攻し、国語と書道の教師になりました。

日本語教師として赴任した山東大学で私の専攻のことが話題となって任期間に書道展をやらないかという話がもちかけられました。

山東省は紀元前からの古い文化を誇る地です。書道や絵画への関心は他省とはかけ離れたものがあります。

済南には数多くの書家や画家がいて活発に活動しています。山東大学にも芸術学部があり、書画研究会もあります。

山東大学書画研究会長から「日本人の書」を見たいから書展をやらないかというお声がかかりました。

予定ではこれから1か月後の開催で、作品数は会場が広いからと100点書いてください言われびっくりしました。授業合間にやることでもあり、50点、でということで話がまとまりました。

中国の書は建物の天井が高いので、作品も大きく丈の長い作品を多く書かく必要があります。

それからの私は深夜まで毎日毎日書きまくりました。

実は、その頃は学生たちが連日遊びに来ていたのですが、書展の話を聞いて彼らが本気になり、私の部屋のドアの前に陣取って訪問客など一切の雑音をシャットアウトして私が書の製作に専念できるよう番をしてくれました。

そんなことで作品は順調に仕上がり、わずか2週間で表装も仕上がって6月6日、無事開催までに50点を書き上げることができました。

初日は大変な盛況でした。済南の名だたる書家画家を始め、テレビ局、新聞社なおどの報道機関、一般の書愛好家で会場はごった返しました。

もちろん私はうれしかったのですが、それ以上に、日本の一書学生の展覧会にこれだけの人々が駆けつけ、言葉も通じない私の肩を叩いて励ましてくれる中国人の心情につくづく感じ入りました。


また中国の漢字だけの書にたいして、日本の「漢字かな混じり」や「草書のかな文」などは初めてみる書だったのでようで興味深く鑑賞してもらいました。

「自遣」 李白

王維

 

山東大学・克敏書法展

クリックしてください

書画家とのめぐり合い

済南の1年で、私は多くの優れた書家・画家と出会いました。

画家で史振峰先生です。史先生は、山東芸術学院の教授にして優れた水墨画家として活躍されました。ふとしたきっかけで知り合ったのですが、彼は少しも偉ぶったところがなく、気さくに料理を振舞い酒を酌み交わします。

興趣が高まると、一気に画仙紙に筆を走らせ、やがてそこには竹林に清風通い鳥歌うさまが生き生きと出現します。

私にも書を書かせ、いつも彼は「自らの書格を愛せよ」と説くのです。全て筆談ながら、これが彼とは実によく気持ちが通じ合えるのでした。

書家では魏啓後先生です。魏先生は当時から著名な書家で、彼の作品を貰いに(買いに)押しかける人で一階の応接間はいっぱいでした。

気難しい、と聞いていましたが、魏先生は私と会うときには大勢の客を待たせ、何時間も作品を書き合い、酒を酌み交わして談笑するのが常でした。

彼の作風は、さまざまな古典を研究し尽くした末の個性溢れるもので、これほどに躍動感ある書線を見たことはありません。その悠揚迫らぬ風貌は現代の大人です。

もう一人、すばらしい人格者がいます。彼の名は蒋維ショウ(ショウは山カンムリに松)先生です。若くしてその篆刻作品は中国を席巻し、現代の大家といわれた人でした。

しかし学問探求の願い止みがたく、彼は文字学者として研究の道を選びました。それでも篆刻の作風を慕う人は止みません。

私が蒋先生に面識を得たのは、前述した私の書道展の各品集の題字を揮毫していただいたことによります。

細身で飄々とし、どこにでもいる老人といった感じで偉ぶるところが微塵もありません。こういう人を人格者と言うのかと深く感じ入った次第です。
 

王先生  魏啓後先生

史振峰先生


(No8・2009・4・15記) 次回つづく



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