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 日本語教師時代の思い出・13

田端道子(090701)

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No13

 

その4
 

北京・北海公園      道子パソコン画

朝のキャンバス風景

朝の7時ごろ、大学構内を歩いてみて驚いた。

キャンバス全体に勉強する学生たちが溢れているのである。歩きながら本を読んでいるもの、大きな声で英語や日本語やフランス語を朗読するもの、目を閉じて暗記しているものなどさまざま。

寒い冬も、暑い夏も同じように学生は授業前のひと時をこうして外で勉強するのである。

こんな朝早くから外で勉強する学生を日本では見たことがないので、ひどく感動してしまい、こんな学生たちを教えるのかと思うと身のひきしまる思いであった。

学生寮が8畳ほどの部屋に8人の2段ベットで生活なので、勉強する空間がないこともあるが、それにしても中国の学生はすごいと頭の下がる思いであった。

外交学院は中国外交部の直轄の大学ということもあり
国内外の要人たちがよく講演にきた。
米のキッシンジャーや日本大使の来訪もあった。
これは教師の日のお祝いの講演

一年生の授業

一年生のクラスは1男子3名女子9名の12名。ゆくゆくは外交官になりたいという希望に燃えた少数精鋭の若者が中国各地から集まってきている。

遠くは福建省、雲南省の学生もいる。みな各省でトップクラスだった学生である。

教室では軍事訓練を終えて日焼けし顔で12人の学生が日本人教師の私を待っていた。私は新一年生にとっては初めて接する日本人ではないだろうか。

私は中国語ができず、彼らは日本語ができない。私は日本語だけで授業をすると決め、ボデイランゲージでカバーすることにした。あとは度胸だけである。

初対面の時が一番大切で、これからの授業がうまくいくかどうかは最初の授業が勝負なのである。

「おはようございます。はじめまして。私は 田端道子です。どうぞよろしくお願いします」と、ゆっくり繰り返し言い、そして名前を大きく板書し、ふり仮名をつけた。

「わたしは○○です」のコーラスを重ねながら練習させ、終盤では学生にそれぞれの名を日本読みの名を教え

「わたしは そきんです。どうぞよろしくおねがいします」と日本語で挨拶ができるようになった。

その方法で「おはようございます・こんにちは・さようなら。ありがとう」など日常教室用語まで発展。こうして初めての授業は大成功に終わった。やったー!!

学生たちは私を認め、好きになり、道子先生の授業は面白いと思ってくれたようだ。

中国の大学では、中国人教師が「精読」という教科書でしっかり教え、日本人はその授業の「復習」をしながら、不足部分を補い、ネイティブな日本語を習得させていくというケースが多い。

現在で使用している「みんなの日本語」や「日本語の基礎」式の教科書はどちらかといえば日本で働く外国人用で、会話中心の速習の日本語教科書である。

中国の大学では動詞も「ます型」「て型」では教えず、上一段、上二段、未然、の形で

日本語文法で教えている。将来院生に進み、日本文学や古典文学を研究する学生もいるわけだからで、中国の大学ではそのほうがいいのかも知れないと私は思っている。

ひらがな、カタカナは美しい字の形を習得させるため、筆順などを修正していった。

外国人は筆順へのこだわりがないので、ちゃんと指導しないと似て非なる、読めないような字を書くようになるのである。

夫が大きな紙に「ひらがな、カタカナ表」を書いてくれた。日本の小学生と同じように「いち、にー、さん」と筆順を練習させた。

また「あいうえお」表を見ながら単語を覚えさせるのに、日本から持ってきた幼児教育用の絵カード「たべもの」「くだもの」「のりもの」「どうぶつ」などを使用した。学生たちは大喜びで、たのしみながら「あいうえお」に慣れていった。

克敏作・五十音表          公文出版社・絵カード

一年生が書いた・あいうえお

1ヶ月もすると、学生たちは「ひらがな」「カタカナ」を覚え、簡単な日本語の会話ができるようになるから、たいしたものである。そうなると俄然授業はやりやすくなっていった。

発音矯正は「濁音、発音、促音」などの練習表をつくり、昼休み私の前で一人一人チエックしていった。合格印を押してやると彼らは乗ってきた。

私たちの住まいにも遊びに来させ「会話の練習」をしたり、日本料理をごちそうしたり、一緒に買い物に行ったり、するうちに見る見るうちに日本語が上達していった。

何しろ粒ぞろいの学生たちだったから。

忘年会演芸会にて      

つづく

(No12:2009・6・29記) 

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